ISO9001は品質管理及び品質保証のための国際標準モデルとしてISO(国際標準化機構)によって1987年に制定された。日本では1991年にJISとして制定されて以来、その普及は目覚ましく、企業活動に大きな影響を与えている。

  ISOでは、5年ごとに規格の見直しを行うことになっており、1994年に第2版「品質システム」のタイトルで改訂が行われた。2000年には大幅な改訂が行われ、第3版「品質マネジメントシステム」となった。鉄道事業者及びグループ企業に限定した場合、「品質マネジメントシステム」の対象は、組織の機能の側面から眺めると、企画・計画、運用・サービス、保守・維持の階層であり、また技術の側面から眺めると、車両、電力、施設、運輸、営業、等の分野に拡大する。

  鉄道は、安全性、正確性、快適性、速達性、信頼性、耐久性、環境調和性、等、優れた特質を有し、これら鉄道品質の維持・向上は不可欠である。

  ISO9001を通して、顧客満足の提供、改善活動の継続を実施することにより、社会的信用の維持と共に競争力の向上が図られ、企業の発展が約束される。


品質(QMS)におけるプロセスアプローチ構築   

 以下に、ISO9001から、プロセスを基礎とした品質マネジメントシステムのモデルを示す。
 プロセスのつながりはPDCAサイクルが適用されている。すなわち、「経営者の責任」で品質目標が展開され(Plan)、「資源の運用管理」で資源が配置され(Do)、「製品実現」で製造及びサービス提供というプロセスが実行される(Do)。

「測定、分析及び改善」で監視・測定の結果や種々の活動からデータが集まって分析され(Check)、「経営者の責任」で経営者による見直しや「測定、分析及び改善」で品質マネジメントシステムの継続的な改善活動に活かされる(Act)。なお、下記に示すモデルでは、インプットとしての要求事項を決定するうえで顧客が重要な役割を担っている。また顧客満足度の監視においては、組織が顧客要求事項を満たしているか否かに関する顧客の受けとめ方についての情報を評価することが必要となる。